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zoom RSS 爺さん逝く

<<   作成日時 : 2005/11/11 01:23   >>

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爺さんが逝った。

爺さんは自宅に居たいと願い、それが実行された。

爺さんは死ぬつもりなんか全くなかった。

最後は私の事など分かっていなかった。行ってもほとんど寝ていた。

それでも家族は爺さんが望んでいたことだと私の訪問を要求した。たいして役にはたたなかった。

あんまり役に立たないので、

思えば最後の時、普段私はしない事をした。

「爺さん!」寝ている爺さんに呼びかけた。

うんと頷いた。

気力を振り絞っているのかと思うと気の毒になって、一度きりでやめた。

死にかけている年寄りの部屋の隣の部屋で、
年寄りの死を待つ人々が談笑している場面に遭遇したことがある。とてもよい光景だった。見取るという神聖な場面に参加できた肉親の充実。

爺さんの場合は、まだまだと皆が信じていた。奇跡のような復活を何度もしてきた男だ。

息が肩から顎に移り、目が開く。

緊急で呼んだ訪問看護師が、今日中かなと言う。

それでも、娘さんは、まだまだと思っていた。

洗濯を取り込んでいるうちに、爺さんは逝った。

私に連絡が入った。すぐに行くべきだったが遠慮した。多分どたばたしているだろう。私はただの訪問員。通夜も葬式も行かなかった。爺さんと私の関係は金で解決されている。

数日経って、娘さんから呼ばれた。

280円のお線香を持って、家に行く。お線香を上げる。遺影を見る。

爺さんの骨はがっしりしていて、骨壷に入れるために砕いたといった話を聞く。

そんな最後の様子を聞く。

2時間くらい無駄話をした。

爺さんの魂はまだここら辺にいる。

お返しとかがイヤなので、お線香だけにした。

ご供養ですといって私が食べ残したお菓子をもらった。

家について、子供に渡した。

子供が、ポチ袋に入っている1万円を見つけた。

爺さん。ありがとう。

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